自分を責めるのはもう終わり。HSPさんが“繊細すぎる心”を武器に変え、自分らしい幸せを手に入れるためのトリセツ

【HSPさんの生きづらさを解消し、才能を活かすためのガイド】

この度は、この記事をお手に取っていただき、心より感謝申し上げます。

「他の人が気にならないようなことでも、すごく疲れてしまう…」
「些細な一言に深く傷ついて、忘れられない…」
「気にしすぎと言われ続けてきた」
「HSPで生きづらさを感じている」
「疲れてしまう原因がわからない」
「自分の特性を活かして前向きに生きたい」

もしあなたがそう感じたことがあるなら、それは「HSP(Highly Sensitive Person)」という気質を持っているのかもしれません。

私自身、HSP気質だと気づいたのは40代半ば頃。気づいたおかげで、生きづらかった世界が180度変わり、毎日が穏やかに、そして彩り豊かになりました。

それまでは「自己肯定感が低めのHSP」だったのが、今は「自己肯定感が高めのHSP」です。HSPでよかったと思いながら生きています。

後から知ったのですが、私のパートナーもHSPさんです。

お互いにHSPを深く理解し、受け入れたことで、今ではお互いの個性を最大限に活かし、ポジティブに生きられています。

何歳であっても、HSPに気づくのに遅すぎることはありません。この記事を読んだあなたが、これまでの「生きづらさ」から解放され、新たな一歩を踏み出すきっかけとなることを願っています。

HSP(Highly Sensitive Person)は、病気や障害ではなく、全人口の15〜20%に存在する「繊細な気質」です。この気質を持つ人は、日々様々な「生きづらさ」を感じる一方で、それを上回るほどの素晴らしい才能も秘めています。

この記事は、HSPさんご本人だけでなく、その大切な家族、友人、同僚の方々にも読んでいただきたいと願って書きました。互いの特性を理解し、尊重することで、より豊かな人間関係と、穏やかな日常を築くための具体的なヒントをご紹介します。


HSPさんに対してのNGワードやその理由、接し方を具体的に書いていますので、読み終えたらすぐに使える内容です。

それではさっそく、HSPさんには「◯◯◯◯」と呼ばれる4つの主な特性(私は才能と呼んでいます)もをあるのをご存知ですか? HSPさんが「生きづらさ」から解放されるには、まず「◯◯◯◯」を知ることが重要です。

1.HSPさんは、4つの主な特性「DOES(ダズ)」を持つと言われています

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HSP気質の人は以下の4つの特性を持つとされています。この気質を理解し受け入れることが、「生きづらさ」→「生きやすさ」への転換の重要なポイントです。

一見マイナスに思えることですが、思考を変えれば、それはHPS気質の人だから持っている「メリット(長所)」であり「才能」なんです。

私は「私はまさにこの気質を持っている。私はHPSなんだ」とHPSを受け入れた瞬間、今まで「疲れたり」「悩んだり」「気にしたり」「落ち込んだり」「苦しんだり」してきた理由が理解でき、幼い頃から胸につかえていた何かが取れた気がしました。

そして、その気質はHPSさんの人の特性で、そうでない人には足りなかったりする部分でもあり、社会に必要な大切なものだと知った時、それまでの自己否定が薄れ、自分を好きになることができました。

HSP気質は先天性のもので、病気でもないため「治す」という選択肢が消えたことも吹っ切れた理由のひとつです。

この特性が自分自身にあり、その特性が理解できれいれば、日々の行動にある工夫をすることで「生きにくい人生」「他人のための人生」→「生きやすい人生」「自分のための人生」に変えることができます。

まずは、自分自身と素直に向き合って、自分自身を理解することから始めましょう。

《DOES》

  • Deep processing(深く考える)
  • Overstimulation(過剰に刺激を受けやすい)
  • Empathy and emotional responsiveness(共感力が高く、感情反応が強い)
  • Sensitivity to subtleties(些細なことに気づく)

この「DOES」という4つの特性を軸に、周囲のHSPの人を見分ける具体的な方法と観察点を解説します。

(1)物事を深く考える

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HSPさんは、何気ない出来事や言葉から多くのことを想像し、深く考える傾向があります。

  • 慎重な発言:発言する前に、相手がどう感じるか、どのような影響があるかなど、あらゆる可能性を考えて言葉を選びます。そのため、発言するまでに時間がかかったり、口数が少なくなったりすることがあります。
  • 完璧主義:仕事や作業に取り掛かる際、細部まで入念に準備し、完璧を求めます。ミスを恐れるあまり、行動に移すまでに時間がかかることもあります。
  • 鋭い洞察力:議論や話し合いの場で、他の人が気づかないような本質的な問題点や、隠された意図を見抜くことがあります。

相手が今どのような気持ちでいるのか、普段から気にするので発言には慎重になりますよね。私も発言までには少し間があります。ですから、思いついたことをパッと言える人を見ると、羨ましく思うこともありますが、もっと相手のことを考えてから言った方がいいと感じることもあります。

相手の気持ちを考えられるのは、実はHSPさんの才能なんです。HSPさん以外の人には、相手の気持ちを考える能力が足りない人が案外多いのです。

私もパートナーも福祉系の専門職が本職ですが、業界でもその辺が足りていない人が案外多いと感じます。

私も以前は完璧主義なところがありましたが、頼まれたら断れなかったり、きちんとやらないと相手に申し訳ないと考えたり、そんな自分に疲れていました。今はだいたい70%くらいできればいいやぁって、できる範囲内でやるようにしています。その方が余裕が持てる分だけキチッとやり切れるからです。

生きて行く上で、真面目で責任感があることは大切なこと。ですが、あなたが全部やる必要はありません。

ちょっとした会議や、やり取りの中に居ると、議論のズレや本質のズレに気付いてしまい、そっちに意識が集中しちゃいます。

そこに気付かないで生きている人もたくさんいます。気付けるあなたは素晴らしい。
これからは、大事なことを見極める力が必要とされる時代になります。あなたの時代です。

「気にしすぎる」→「◯配慮ができる」
「深く考えすぎる」→「◯洞察力がある」

(2)過剰に刺激を受けやすい

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五感で受け取る情報に敏感で、日常の些細な刺激でも疲れやすいのが特徴です。

  • 感覚への敏感さ:人混みのざわめき、大きな音、強い光、きつい匂い、服のタグの違和感など、多くの人が気にしないような刺激に不快感や苦痛を感じやすいです。
  • 疲れやすさ:友人と楽しい時間を過ごした後でも、どっと疲れが出てしまい、一人で静かに過ごす時間を必要とします。刺激の多い環境に長時間いると、体調を崩すこともあります。
  • 強い刺激を避ける:暴力的な映画や残酷なニュースを意図的に避けます。それらに触れると、感情が大きく揺さぶられてしまい、つらい気持ちが長く残るからです。

私は人混みに行くと疲れるので、いざ行くとなれば、気持ちを入れないといけないのでエネルギーが要ります。人が多いと話声や音など、情報が多過ぎて、ひとつひとつ考えちゃう(自然と)ので、帰ってきたらドッと疲れます。

親しい人だけで過ごす分にはいいんですが。

大きな声や音は私もパートナーも苦手。私は小さい頃からスポーツをしてきて、スパルタ教育時代だったので理不尽にも怒鳴られてきましたので、音声で怒鳴る人、急な大声は苦手です。ドアの閉まる大きな音など大きな物音などもそうです。

パートナーは、雷が鳴ると正常な精神状態ではいられません。

あと私は、ボールペンをカチカチ鳴らす音や貧乏ゆすりの音が大変苦手で不快感で押し潰されそうになります。こういった、断続的な音が苦手な傾向もあるそうです。

眩しい太陽の光、ヘッドライト、人工的な香り(一部の柔軟剤や香水)、他人の体臭、苦手な食べ物の香りなどは今でも苦手です。偏頭痛や気分不良の原因となります。

それくらい繊細で敏感な感覚を持っていますので、ちょっとした変化や前兆に気付けることもあります。

感情移入しやすいため、悲惨なニュースやホラー映画などを見たり聞いたりすると気分が落ち込んだり、しばらく引きずったりします。

小説や映画の中に入り込めるため、勇気をもらえるストーリーやポジティブなストーリーを見ると、日常を忘れ、普段以上のエネルギーを得られることも特権です。

(3)共感力が高く、感情反応が強い

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他人の感情や場の雰囲気を敏感に察知し、自分のことのように感じやすいです。

  • 感情移入:ドラマや映画、本などに深く感情移入し、登場人物の喜怒哀楽に強く共感して涙を流したりします。
  • 感情の揺れ:近くにいる人が怒られたり、落ち込んでいたりすると、まるで自分が怒られているかのように傷ついたり、気持ちが沈んだりします。
  • 場の雰囲気:言葉には出なくても、場の緊張感や人間関係の微妙な変化をいち早く察知し、それに影響されて行動を変えてしまうことがあります。

小説やドラマ、映画の登場人物はもちろん、普段から周囲の人の気持ちを考えてしまうため、「今こんな感情じゃないのかななぁ」と寄り添おうとします。私はこの部分は人として必要なことだと思うので、最も好きな部分です。ただし、引きずられ過ぎないように注意しましょう。

場の空気感を考えてしまうため、しようと思っていたこと、言おう思っていたことをやめてしまうこともありますが、その場合の行動まで決めておけば大丈夫です。

(4)些細なことに気づく

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他の人が見過ごしがちな小さな変化やディテールに気づく力を持っています。

  • 鋭い観察眼:部屋の模様替えや、人の髪型の変化、相手の表情のほんのわずかな違いにすぐに気づきます。
  • 気配り上手:他人が不快に思っていることを察し、自ら進んで解決しようとします。たとえば、部屋が暑そうだと気づけば、何も言わずにエアコンの温度を調整したりします。

周囲の人々や環境の小さな変化に気付いてしまうことは日常茶飯事で、これは仕方のないことだと割り切っています。気付きたくなくても気付いてしまうので疲れてしまうんです。

人と接する場面でその良さが引き立つと思います。私の知る福祉の現場では、HSPさんの存在は何より貴重です。そうでないスタッフが多くなるほど、HSPさんが全部抱え込んでしまい疲弊し、現場を離れていく姿をたくさん見てきました。

HSPさんが理解され、学びやすい学校環境や働きやすい職場環境が増えていって欲しいと思います。

HSPさんの「あるある」具体例

HSPさんは、日常生活の中でこんな風に感じています。

1.些細な刺激にも気づいてしまう

  • 例)カフェで友人と話している時、隣の席の話し声やBGMの音、店員の動きが全部気になってしまい、会話に集中できない。


2.人の気持ちを察しすぎてしまう

  • 例::職場で上司が不機嫌そうにしていると、「もしかして自分のせい?」と不安になり、一日中落ち着かない。

3.深く物事を考えすぎてしまう

  • 例: 映画を観た後、登場人物の気持ちや物語の背景を深く考えすぎて、しばらくその世界から抜け出せない。

4.疲れやすい

  • 例:人混みの中にいるだけで、五感が刺激されすぎてグッタリと疲れてしまう。旅行などで楽しいはずなのに、帰ってきたらドッと疲れが出る。

HSPは「弱さ」ではない

HSPの気質を持つ人は、しばしば「繊細すぎる」「気にしすぎ」と周囲から言われることがあります。しかし、HSP気質は決して「弱さ」ではありません。

  • 人の気持ちを深く理解できるため、周りの人から頼られることが多い。
  • 小さな変化にも気づけるため、仕事でミスを未然に防いだり、新しいアイデアを生み出したりすることができる。
  • 深く感動できるため、芸術や自然の美しさを人一倍感じ取ることができる。

このように、HSPさんは「繊細さ」という特性を強みに変えることができます。

もしあなたがHSPだと感じたなら、まずは「これは自分の個性なんだ」と受け入れることが大切です。

そして、自分の心と体を守るために、時には無理をしない選択をすること。

HSPという気質を理解し、上手に付き合っていくことで、あなたの世界はもっと豊かになるはずです。

次の章で、HSPさんがどのように行動すれば「抱えてきた生きづらさ」を解消できるかを紹介します。

自分を信じて、実践してみてください。

2.HSPさんご本人が実践できる改善策

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それでは、HSPさんご本人が実践できる改善策になります。
まず、ご本人が自分自身と向き合い、生きづらさを和らげるための具体的な方法をお伝えします。

日常生活を大きく ①職場・仕事 ②人間関係 ③日々の生活 に分けて実践します。

(1)職場・仕事編

HSPさんにとって、職場は五感への刺激や人間関係、タスクの多さなど、ストレスの宝庫になりがちです。しかし、少しの工夫でその負担を軽減できます。

①自分のための「避難場所」を確保する
常に多くの情報にさらされる環境は、HSPさんにとって大きな負担です。意識的に一人の時間を作り、感覚をリセットしましょう。

仕事中のランチ休憩など、無理に他の人たちと過ごす必要はありません。

(具体例)

  • 休憩時間には、人の少ない場所(屋上、別の階の休憩スペース、近くの公園など)で静かに過ごす。
  • トイレの個室で深呼吸をするなど、数分でもいいので「ひとりになる時間」を確保する。

②マルチタスクを避け、一つずつ丁寧にこなすHSPさんは一つのことに深く集中する能力に長けていますが、複数のタスクを同時にこなすことは苦手です。

仕事内容は書き出して、優先順位を明確にし、期日ギリギリにならない範囲で引き受けましょう。私は、自分のできる70%以上に仕事を引き受けず、その70%の仕事を全力でやるようにしています。

これ以上引き受けても、今の仕事で手一杯で、期日に間に合わず迷惑をかけてしまう、と最初に理由を伝えるのもコツです。

いくつもの事を同時進行するのは向いておらず、早く済ませるために同時に進めると、返って時間がかかるか中途半端になりがちです。

(具体例)

  • 優先順位を明確にし、一つずつタスクを片付けていく。
  • 難しい場合は、上司に相談してタスクの配分を調整してもらう。
  • 家庭でも複数のことを同時に進めるのではなく、「まず掃除機をかける」「次に洗濯物を干す」のように、タスクを分解して一つずつ終わらせる。
  • 「集中したいから」と声をかけ、イヤホンでノイズキャンセリング機能を使うのも有効です。イヤホンは雷などの大きな音を遮断するのに効果的です。

(2)人間関係編

人の感情に敏感なHSPさんは、人間関係で疲れやすい傾向にあります。無理に付き合うのではなく、自分を守るためのルールを決めましょう。

ルールは書き出しておき、いつも目にするようにすると良いでしょう。

(具体例)

①境界線を引く練習をする
HSPさんは他人の感情に深く共感しすぎてしまい、相手の課題まで抱え込んでしまうことがあります。

(具体例)

  • 友人の愚痴を聞く際は、「これは相手の問題」と割り切る意識を持つ。
  • 相手から頼みごとをされた時、「はい」と即答せず、「少し考えてから返事します」と一度持ち帰る。


②連絡頻度を自分でコントロールする

SNSやメッセージの通知に追われると、心が休まらなくなります。

  • 具体例:
    • メッセージの通知をオフにし、返信は自分のタイミングでまとめて行う。
    • 「返信が遅いこともあるけど、悪気はないよ」と事前に伝えておく。


(3)日々の生活・セルフケア編

日々の疲れを溜め込まないための習慣は、HSPさんにとって特に重要です。心身ともに満たされる時間を作りましょう。

私は、休日は仕事のことを忘れたいので、仕事の日の朝と、休日の日の朝のルーティーンを変えています。

休日の朝のルーティーンを決めると、休日のスイッチが入りリラックスできるのでおすすめです。

HSPさんは、仕事の疲れを溜めやすく、この正体を「脳疲労」と呼んでいますが、「脳疲労」を取らないと、休日があってもほとんど疲れが取れません。

さらに、HSPさんは休日があっても何をしてよいか分からず、結局何もせず休日が終わってしまう傾向もあります。

この「脳疲労」や「ストレス」をリセットするために効果的なのがリラックスできる非日常体験

HSPさんは刺激が強すぎると返って疲れてしまうため、人混みは避けて、ひとりや少人数で過ごすことが望ましいです。音楽やリラックスできるような映画鑑賞、好きな分野の読書、自然に触れるなどがおすすめです。

私は、休日の朝のルーティーンを決め、月に2回は自然の中でキャンプをすることで心と体をリセットしています。

  • 具体例:
    • スケジュールに「一人の時間」を最初から書き込んでおく。あるいは気の許せる人と過ごす時間でもいいです。
    • 毎週日曜日の午前中は、誰とも会わず好きなことをする「充電時間」にする。
    • 家族に「少し一人になる時間が欲しい」と伝え、自分の部屋で数十分でもいいので静かに過ごす。
    • 非日常を感じる時間を作る。休日は読書や音楽や映画など、好きなことをするルーティーンを決め、仕事のスイッチを切る。小説や映画は感情移入しやすいため、非日常体験を得られます。嫌なことも忘れ、疲れた心をリセットする効果があります。


②デジタルデトックスを実践する

SNSやニュースは、HSPさんの心を刺激し、疲労を増幅させます。

(具体例)

  • 寝る1時間前にはスマホを触らないようにする。
  • SNSの通知をオフにし、見る時間を決める。
  • 意識的に情報から離れることで、心の平穏を取り戻します。
  • 気分が落ち込むニュースなどを見たり聞いたりしないようにする。

3.HSPさんの才能を活かす

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HSPさんの繊細さは、決して弱点ではありません。その特性を理解し、活かすことで、あなたは唯一無二の才能を発揮できます。

  • 共感力:相手の気持ちを深く理解できるため、カウンセラーや教師、デザイナーなど、人の心に寄り添う仕事で強みを発揮します。
  • 内省力:物事を深く考える力は、作家、研究者、企画職などで活かせます。
  • 観察力:細かい変化に気づけるため、品質管理やアート、コンサルティングなど、細部にまで配慮が必要な分野で活躍できます。

HSP気質は、生まれ持った才能です。
これまで「生きづらい」と感じてきた日々は、決して無駄ではありません。それは、あなたが深く考え、感じ、そして成長してきた証です。

しかしながら、HSPさんにおいて職業選択というのは、多くの人が抱く悩みだと思います。

HSPさんに向いている仕事、どちらかというと向いていない仕事、それぞれ解説した記事を書いていますので、関連記事として必ず読んでください。

4.家族・恋人・友人・同僚が大切な人(HSPさん)と接する時の具体的方法

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HSPさんを見分けることは、その人が持つ繊細さを理解し、尊重するための第一歩です。

これらの観察点から「あの人もしかしてHSPさんかな?」と感じたときは、ぜひその人の特性を考慮した接し方を試してみてください。

HSP気質の人へのNGワード・接し方

HSP(Highly Sensitive Person)さんに対する「禁句」は、相手を深く傷つけたり、プレッシャーをかけたりする可能性のある言葉です。

HSPさんは五感が敏感で共感力が高いため、何気ない一言でも深く受け止めてしまうことがあります。

ここでは、HSPさんが言われるとつらいと感じる可能性のある言葉と、その言葉がなぜ問題なのか、そしてどう言い換えればよいかについて解説します。

  1. 「気にしすぎだよ」「考えすぎだよ」
    (なぜNG?)
    HSPさんは物事を深く考え、些細なことにも気づいてしまう気質を持っています。この言葉は、その気質を「悪いもの」「直すべきもの」として否定しているように聞こえてしまいます。また、本人は気にしたくて気にしているわけではないので、「どうしてわかってくれないんだろう」と孤独感を感じさせてしまいます。
    (言い換えの例)
    「何かあった? よかったら話を聞かせて」
    「つらかったね。そう感じたんだね」

    まずは相手の気持ちに寄り添い、共感を示すことが大切です。
  2. 「もっと堂々としなよ」「そんなことでへこむなよ」
    (なぜNG?)
    これもHSPさんを否定する言葉です。本人は堂々と振る舞いたいと思っていても、刺激に過敏に反応してしまうため、そうできないことも多くあります。この言葉は「あなたの感情は間違っている」と突き放しているように聞こえ、自己肯定感を大きく下げてしまいます。
    (言い換えの例)
    「今はゆっくり休んで、また明日から頑張ろう」
    「無理しなくていいからね」

    相手のペースを尊重し、無理をさせない姿勢を見せることが安心感につながります。
  3. 「どうしてそんなに泣くの?」「なんでそんなにビクビクしてるの?」
    (なぜNG?)
    HSPさんは感情反応が強く、悲しいときだけでなく、感動したときでも涙が出ることがあります。また、刺激に過敏なため、急な音や人の多さにびっくりしてビクビクしてしまうこともあります。これはHSPさんの自然な反応であり、本人がコントロールできるものではありません。この言葉は、そうした反応を嘲笑しているように聞こえ、深く傷つけてしまいます。
    (言い換えの例)
    「大丈夫だよ、怖がらなくていいよ」
    「感動したんだね」

    感情を否定せず、受け止めてあげることが大切です。
  4. 「みんなやっていることだよ」
    (なぜNG?)
    HSPさんは、人一倍疲労を感じやすいため、周囲と同じペースで物事をこなすのが難しい場合があります。この言葉は、相手の努力や限界を無視し、「あなたは周りより劣っている」と伝えているのと同じです。結果として、自分を責めて無理をしてしまい、心身ともに疲弊してしまう可能性があります。
    (言い換えの例)
    「無理そうだったら、いつでも言ってね」
    「何か手伝えることがあったら言ってね」

    相手の限界を理解し、手助けを申し出ることで、プレッシャーを和らげることができます。
  5. 「間」と「距離」を大切にする
    HSPさんは、人混みや騒がしい場所、強い光などに非常に敏感です。また、一対一の深いコミュニケーションを好む傾向があります。(接し方のポイント)
    • 大人数での集まりに誘う際は「無理なら大丈夫だよ」と一言添える。
    • 会話をする際は、相手がじっくりと考えたり話したりできるように、沈黙を恐れず「間」を空ける。
    • 長時間の会話や電話は控えめにし、相手の疲れ具合に配慮する。
  6. 具体的な言葉で伝える
    HSPさんは、相手の表情や声のトーンから多くの情報を読み取ります。曖昧な表現や遠回しな言い方は、かえって「何か言いたいことがあるのかな?」と不安にさせてしまいます。               (具体的な伝え方の例)
    • 感情的な言葉で注意するのではなく、**「資料の〇〇の部分を、△△のように修正してくれると助かるよ」**のように、事実や具体的な希望を伝える。


これらの言葉は、HSPさんに限らず、誰に対しても使うべきではないかもしれません。しかし、特にHSPさんに対しては、その言葉が持つ影響がより大きくなることを覚えておくと良いでしょう。相手の気持ちに寄り添い、共感する姿勢を大切にすることで、より良い人間関係を築くことができます。

5.HSS型HSP

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HSS型HSPとは、HSP(Highly Sensitive Person)の中でも、刺激を求める「HSS(High Sensation Seeking)」という気質を併せ持ったタイプです。HSP全体の3割ほどがHSS型HSPだと言われています。

このタイプは、非常に繊細で外部からの刺激に敏感である一方で、新しいことや変化を好むという、一見すると矛盾した特性を持っています。

ですから、周囲から見るとHSPだと気付きにくいかもしれません。アクティブな面があるので、自身でもHSP気質だと気付かない場合もあるでしょう。


HSS型HSPの主な特徴

  • 好奇心旺盛で行動的:新しい場所へ行ったり、新しい趣味に挑戦したり、未知の体験を強く求めます。退屈な日常を嫌い、常に刺激を探し求めていることが多いです。
  • 刺激に疲れやすい:刺激を求める行動は好きですが、HSPの気質から、人混みや騒音、予期せぬ出来事といった外部の刺激に人一倍疲れやすいという側面も持ち合わせています。このため、「もっと刺激が欲しい!」と行動した結果、ぐったりと疲れてしまうという自己矛盾に陥ることがよくあります。
  • 内面と外面のギャップ:周囲からは明るく、活発で、エネルギッシュな人だと思われがちです。しかし、内面では非常に繊細で、他人の言葉や些細なミスを深く気にしてしまうことがあります。このギャップに苦しむことも少なくありません。
  • 飽きっぽく、完璧主義:新しいことには意欲的に取り組むものの、すぐに飽きてしまう傾向があります。また、完璧主義な一面があるため、自分の行動や結果に満足できず、自己否定に陥りやすい傾向も見られます。
  • 共感力と社交性のアンバランス:人の感情を敏感に察知し、深く共感できる一方で、人との深い関わりに疲れてしまうことがあります。初対面ではすぐに打ち解けられるものの、深い関係を築くにつれて距離を置いてしまうこともあります。
    HSS型HSPは、「アクセルとブレーキを同時に踏んでいる状態」と例えられることがあります。好奇心というアクセルで行動しながら、繊細さというブレーキで疲れや傷つきを感じてしまうのです。このタイプの人は、自分の特性を理解し、無理のないペースで行動することが大切になります。

6.HSPさんは自己肯定感が低い?

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HSPと自己肯定感は密接に関わっています。HSPは生まれ持った気質であり、その特性が自己肯定感を左右しやすい要因となるからです。

自己肯定感の低いHSPさんの特徴

HSPの特性が自己肯定感を低下させる方向に作用すると、以下のような特徴が現れることが多くなります。

  • 他人の評価を過剰に気にする: 周囲の顔色や言動に非常に敏感なため、「嫌われたのではないか」「自分はうまくやれていないのではないか」と常に不安を感じます。他人の意見や批判を深く受け止め、自分自身の価値を疑ってしまうことがあります。
  • 自分を責める傾向が強い:些細な失敗でも深く反省し、「なぜもっとうまくできなかったのか」と自分を厳しく責めます。完璧主義な面も相まって、小さなミスを引きずり、自分はダメな人間だと結論づけてしまうことがあります。
  • 他人と比較して落ち込む:他人の良い部分を敏感に察知する一方で、自分の短所ばかりに目が向くため、「自分はあの人と比べて劣っている」と感じやすくなります。
  • 自己主張が苦手:相手の感情を優先するあまり、自分の意見や気持ちを抑え込んでしまいがちです。その結果、自分の意志で行動を決められず、自己肯定感が低下していきます。
    これらの特徴は、HSPが持つ「深く考えすぎる」「共感力が高い」「刺激に敏感」といった気質と深く結びついています。

自己肯定感の高いHSPさんの特徴

一方で、HSPの特性を理解し、うまく付き合っていくことで、自己肯定感を高く保つことも可能です。

  • HSPの特性を長所として捉えている:自分の感受性の高さを「共感力の高さ」「物事を深く考えられる力」「創造性」といった長所として認識しています。
  • 自分のペースを大切にできる:刺激に敏感であることを理解しているため、無理をせず、一人の時間を確保するなど、自分をケアする時間を意識的に作っています。
  • 他者との適切な距離感を保てる:他人の感情に引きずられすぎず、相手との間に健全な境界線を引くことができます。
  • 「ありのままの自分」を受け入れている: 他人との比較ではなく、自分の内面的な成長や価値を基準に自分を評価します。

HSPさんと自己肯定感の関係性

HSPさんは、生まれつきアンテナの感度が高く、外部からの情報や刺激を人一倍多く受け取ります。この特性自体は善悪を伴うものではありませんが、受け取った情報がネガティブなものであった場合、自己肯定感を下げる要因になりやすいと言えます。

しかし、これは「HSPだから自己肯定感が低い」というわけではありません。幼少期の家庭環境やこれまでの人間関係の中で、HSPの特性を尊重されなかったり、否定されたりする経験が自己肯定感を低くする大きな要因と考えられています。

逆に、HSPの特性を理解し、それを強みとして活かす環境や考え方を持つことができれば、その感受性は豊かな創造性や深い共感力となり、自己肯定感を育む土台となります。

HSPさんにとって、自己肯定感を高めるためには、まず「自分は特別な存在ではない、ただ敏感な気質を持っているだけ」という事実を理解し、その上で自分の特性と向き合い、適切なセルフケアを実践していくことが重要になります。

私自身、自己肯定感を高めることができましたから、この記事を読んでいただいた人も自己肯定感を高めることは可能です。

「ケ・セラ・セラ。先のことは分からないけど、なるようになるのが人生」

自己肯定感の高め方について、少しブログ「ちーまこStyle」の記事に書いていますので読んでみてください。

人生が劇的に変化する4つの方法 - ちーまこStyle人生が劇的に変化する4つの方法「完璧を求めるのを止めると、人生は劇的に変化する」「完璧を求めるのを止めると、人生は劇的に変化する」 完璧を求めるのは、誰mijora.biz

7.おわりに

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HSPの気質は、ご本人にとって生きづらさの原因となる一方、周りの人にとっては大きな心の支えとなり、社会にとってはかけがえのない才能です。

ご本人が「自分を守る」術を身につけ、周囲の人が「理解し、配慮する」ことで、HSPさんの繊細さは、温かさや創造性といったポジティブな力に変わります。

この記事でご紹介したヒントが、あなたの、そしてあなたの大切な人の日常を、より豊かにする一助となれば幸いです。

この記事を読んで、自分なりにセルフチェックを行い、自分にできる具体的行動を取り入れることで「生きやすく」なる人もいると思います。

それだけでは不安だという人や、継続が難しいという人は、自己肯定感を高めるために役立つ、無料で使えるおすすめのアプリをブログ「ちーまこStyle」で紹介していますので、そちらも使ってみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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